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玉田 正男; 瀬古 典明; 笠井 昇; 清水 隆夫*
FAPIG, (169), p.3 - 12, 2005/03
モール状捕集材は係留システムの軽量化により捕集コストの低減化が期待できる新しい形状の捕集材である。海水ウランの捕集に関しては、アミドキシム基が海水中に溶存するウランに対して高い親和性を持つ。この官能基を放射線グラフト重合によりポリエチレン糸に導入し、そののち編み込み加工によりモール状のウラン捕集材を合成した。2.8mmol/g-捕集材の官能基密度を持つ捕集材の作製には5時間のグラフト重合反応が必要であった。得られた捕集材を沖縄沖に係留した結果、30日の浸漬で1.5g/kg-捕集材のウランの吸着が可能であった。年間1200トンのウランを捕集するためには134kmの海域が必要であるが、沖縄から土佐湾にかけての海域でウランの捕集に適した海域は6000kmあることがわかった。
堀田 平*; 石井 進一*; 宮崎 武晃*; 鷲尾 幸久*
PNC TJ6557 91-044, 48 Pages, 1990/08
本研究においては、海水中に溶存するウランを経済的に、かつ大量に回収する技術の可能性を明確にすることを目的として、新たに開発・改良されたウラン吸着剤の吸着性能の把握ならびにこの吸着剤を用いた海水ウラン回収システムの必要とされる基本的な諸元についての検討を行った。まず、ウラン吸着剤としては、動力炉・核燃料開発事業団殿より支給されたアミドキシム樹脂DCE(ジクロエタン未処理3%Nacl型)、同(アルカリ72時間振とう3%Nacl型)マイティピートおよびRNH-5(クロロホルム)について海洋科学技術センターの岸壁において、海水温度の高い夏期間に、最長10日間に亘って海水通水試験を行い、ウラン吸着量の分析を行った。その結果、アミドキシム樹脂DCE(ジクロエタン未処理3%Nacl型)およびRNH-5の吸着剤がこれまでにない高い吸着性能を有することが判った。しかし、他の吸着剤はさほど高性能ではなかった。一方、海水ウラン回収システムとしては、上下に通水網の張られた吸着室方式を考慮し、これに粒状の海水ウラン吸着剤が充填され波浪中の海面下に固定された時の、吸着剤の最適充填量および最適吸着室幅について模型実験によって明らかにされた。実験においては、主に吸着室内の挙動を観察することによって、各種の特性の把握が行われた。その結果、最適充填量としては、吸着室高さの1/3程度であり、また、最適吸着幅は波長の1/5程度であることが明らかになった。
岡本 次郎
海洋科学, 17(4), p.71 - 74, 1985/00
海水ウラン採取用吸着材の開発は、無機の含水酸化チタン酸系から有機のアミドキシム系の吸着剤に焦点が移りつつある。ここでは放射線の特徴を利用して繊維状の吸着剤を開発したので、その製造方法,えられた吸着剤の特徴などについて述べる。